バスに乗ってロンドン街巡り
ロンドンのバスといえば、2階建ての真っ赤なバスを思い浮かべますよね!ロンドンは地下鉄やバスなどの公共交通機関が発達している地域です。地下鉄はまるで日本の都市部のようで、観光客も分かりやすく移動にとても便利です。しかし、せっかくのロンドンの景色が見えず、もったいない!ぜひ、ダブルデッカーに乗って、街の景色も楽しみながら、ロンドンの観光名所を巡ってみましょう。
ロンドンバスとは?
600を超える路線があり、ロンドン交通局が管理・運営しています。市内を走る公共バスは赤の塗装で統一するように定められており、同じように見えるバスも、実は複数の民間バス会社が運行しています。バスの正面や横側をよく見ると、abellio london、ARRIVA、First、Go Ahead-London、LONDON UNITED、Metroline、Stagecoachなど会社の名前が入っています。
必需品の交通パス『oyster(オイスター)』
日本のSuica、PASMOと同じような交通系ICカードです。地下鉄とバスで利用でき、料金のメリットも大きいのでとても便利です。バスは現金での乗車ができないので、オイスターカードか期間が限定された乗り放題チケットであるトラベルカードは必須です!
初回は5ポンドのデポジットが必要ですが、自動券売機で簡単に発行ができ、発行後は、必要金額を好きな時に券売機でチャージ可能です。日本の仕組みと同じなので、とても分かりやすいです。
カードが不要になれば払戻しもできますが、有効期限はなく、人に貸すこともできるのでそのまま持っていることをおすすめします。
バスの料金・乗り方
ロンドン市内はゾーンに分けられていますが、バスは距離に関係なく1回につき1.5ポンドです。また、バスの1日あたりの上限金額は4.5ポンドで、1時間以内のバスの乗り継ぎであれば、2回目以降のチャージはされません。
バスが来たら、手を出して合図します。多くの路線が走っているバス停もあるので、乗るバスを間違えないように気を付けます。
2ドアと3ドアタイプのバスがあり、旧型の2ドアは前方から乗車し後方から下車、新型の3ドアには全てにカードリーダーが設置されているので、どこからでも乗車可能です。乗車する時は、黄色の丸いカードリーダーにオイスターカードをかざすだけ。乗り方も日本とそっくりですね。
ぜひ、2階席に座って、ロンドンの街並みを楽しみたい!最前列の席は眺めが良く大人気です。動くバスの中で、2階から1階に降りるのは少し時間がかかるので、余裕を持って1階に降りておきましょう。
おすすめルート
ロンドン中心部の西と東を結び、ロンドンの観光名所を走る15番系統にぜひ乗りたい。この15番系統には、ルートマスターと言われるレトロなバスが走っており、『Heritage Route(ヘリテージ・ルート)』と呼ばれます。トラファルガー広場からロンドン塔までの区間を、毎日約20分間隔で運行しています。出入口は後方にしかなく、車掌が乗車しています。
トラファルガー広場(停留所:Trafalgar Square for Charing Cross)から、見所をご紹介します。
トラファルガー広場
ロンドン中心部にあり、政治演説、集会やイベントなども行われるたくさんの人でにぎわう大広場です。
1805年のトラファルガー海戦でフランス・スペイン艦隊を撃破し、大英帝国を勝利に導いた英雄、ネルソン提督の記念碑(全高56メートル)が立っています。その円柱を取り囲むように、4体のライオン像が設置されています。東京の日本橋三越本店の正面玄関に設置されている2体のライオン像は、トラファルガー広場の獅子像がモデルと言われています。百貨店オープンの準備のため欧米を視察した当時の支配人 日比翁助(ひびおうすけ)がイギリスで発注し、1914年(大正3年)の完成まで3年もかかったことから、イギリス彫刻界でも話題となりました。
毎年クリスマスシーズンになると、ノルウェーから20メートルを超える樹齢50〜60年のクリスマスツリーが贈られ、広場中央に飾られます。第二次世界大戦におけるイギリスのノルウェーに対する支援に感謝し、1947年からプレゼントされているそうです。
トラファルガー広場の前には、ボッティチェリ、フェルメール、モネ、ゴッホなど、ルネサンスから印象派までの西洋絵画の名作がそろうナショナル・ギャラリーがあります。毎日、午前10時〜午後6時まで開館していますが、金曜日は午後9時までオープンしているので、日中観光の後の美術鑑賞もおすすめです。
また、広場南側のバッキンガム宮殿に続く一本道の入口に、エドワード7世が母であるヴィクトリア女王を称え、1912年に建造されたアドミラルティ・アーチがあります。かつてはイギリス海軍の執務室があり、ウィンストン・チャーチルが海軍大臣を務めていた時にもここで執務を行なっていた歴史的な建物です。なお、2022年には、5つ星のラグジュアリーホテル『ウォルドーフ・アストリア』がアーチ内に開業する予定です。
王立裁判所
1882年に創建された王立裁判所は、イギリスとウェールズの最高法廷で、荘厳なゴシック建築の建造物です。法廷を含む1000部屋以上を持つ、ヨーロッパの中でも最も大きな裁判所の一つで、有料の裁判所の見学ツアーも開催されています(要予約)。目の前にはイギリス王室御用達の紅茶で有名なTWININGSの本店があります。
シティ・オブ・ロンドン
ロンドン証券取引所やイングランド銀行など大手金融機関の本社がある、イギリス経済の中心地です。アメリカ ニューヨークのウォール街と共に、世界のマーケットを牽引する金融地区です。このエリアの居住者は約8000人ですが、平日には40万以上の人がここシティで働いています。近代的な超高層ビルだけでなく、ロンドン大火記念塔やセントポール大聖堂などの歴史的建造物も立ち並びます。
セントポール大聖堂
英国国教会の大聖堂。最初の聖堂は604年に建設され、度重なる火災による焼失を経て、再建されました。現在の建物は、1666年のロンドン大火後、建築家のクリストファー・レンによって1711年に建てられたバロック様式の傑作で、天井画や装飾の豪華さは圧巻です。第二次世界大戦のドイツ軍による空爆からも、奇跡的に焼失を免れました。1981年に故ダイアナ妃がチャールズ皇太子と結婚式を挙げたことでも有名です。地下には、ネルソン提督、ナポレオン率いるフランス軍にワーテルローの戦いで勝利したウェリントン公爵など、イギリスを代表する偉人のお墓が並びます。歴史上最も偉大なイギリス人と称されるウィンストン・チャーチルや英国初の女性首相であるマーガレット・サッチャーの葬儀は、ここセントポール大聖堂で行われました。
時間があれば、ぜひドームに登ることをおすすめします。30メートル付近(257段)には、壁に向かってささやくと回廊の反対側にいる人たちに聞こえると言われる『ウィスパリング・ギャラリー』があります。『ストーン・ギャラリー』を過ぎると、最上階の『ゴールデン・ギャラリー』に到着します。地上から85メートル(528段)ありますが、ロンドンの大パノラマを見渡すことができます。
ロンドン塔
1070年代にイギリスを征服したウィリアム1世が外敵を守るために作った要塞です。国王が居住する宮殿としても使われてきましたが、王族や政治家などの幽閉、処刑施設として使用された歴史を持ちます。
タワー・ブリッジ
1894年に完成したテムズ川に架かる開閉式の橋で、120年以上も経つ今でも現役で、年間約850回も跳ね橋が開閉しています。中央部分が最大86度まで開き、大型船が通過することができます。船舶は24時間前までに予約を入れれば、365日24時間いつでも通過することができます。なんと、通行料は当時から無料なんだそう。橋の開閉スケジュールがホームページでも公開されていますので、タイミングが合えば跳ね橋が開く様子を見たいですね。また、歩いて橋を渡ることもできるので、ロンドンの絶景を楽しむこともできます。
15番系統は、多くの観光スポットが集まる見所満載のルートのため、少し早起きをして、朝からアクティブに動くのが絶対おすすめ!ロンドンを象徴する赤い2階建てバスに乗って、街を巡ってみませんか?